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悠久の国

  • 2025年11月27日
  • 読了時間: 3分

更新日:6月8日

初めて中国を訪れました。

行き先は福建省。今回の目的は、ある家具工場の視察です。

「中国製」と聞いて、どんなイメージを思い浮かべるだろうか。

少なくとも日本では、「安い」「品質が低い」といった印象を持つ人が少なくないように思います。実のところ、自分自身もその一人でした。

もちろん事前にカタログで製品の写真は見ていました。しかし写真と実物は別物。本当に期待できる品質なのか。実際に自分の目で確かめるまでは、どこか半信半疑でした。


それは製品だけではありません。


中国の人々に対しても、知らず知らずのうちに先入観を持っていたように思います。

マナーの悪い観光客や外国人絡みの事件はニュースでも目立つ。同じ出来事でも外国人が関わると大きく報じられると、その積み重ねが知らないうちに印象を形づくっていたのかもしれません。

だが、実際に現地で見た景色は、そのイメージとはずいぶん違っていました。

確かに声は大きい。人との距離も近い。都会的で洗練された振る舞いというよりは、おおらかで陽気な印象を受ける。

けれど、それは決して悪い意味だけではありません。

どこか人懐っこく、気取らない。

考えてみれば、そんなタイプの人たちは日本にもいます。

国籍というフィルターを外してしまえば、案外みな似たようなものなのかもしれません。


工場に入って、さらに意外でした。

勝手な想像では、作業場には賑やかな会話が飛び交い、活気という名の雑然さがあるものと思っていました。

しかし実際は違いました。

作業員たちは黙々と仕事に向き合い、材料や製品を驚くほど丁寧に扱っていました。

広大な工場には何台ものNCマシンが並び、工程ごとに作業が整理され、部材の仕分けは自動化されていました。

おそらく昔はもっと人の手に頼っていたのだろう。



技術の進歩とともに機械化は進みました。しかし興味深かったのは、最終的な検査や品質確認だけは人の目で行われていたことです。

機械がすべてを判断するのではなく、最後は人が責任を持つ。

その姿勢に、むしろ安心感を覚えました。



ショールームを見学しながら、ふと考えました。

中国という国は、もともとものづくりにおいて非常に高い文化を持っていたのではないか。

万里の長城、天壇、紫禁城。

気の遠くなるような年月と技術の蓄積によって築かれた建築群。緻密に磨き上げられた舞踊や芸能。そして世界中の人々を魅了する中華料理。

どれも、人の手と時間を惜しみなく注ぎ込んで生み出されたものばかりです。

もしかすると中国という国は、普段は驚くほど合理的で現実的だけれど、本気で取り組むとなった時には、とことん突き詰める力を持っているのかもしれません。




視察の最後、現地企業の歓待を受けて本場の中華料理を前にしていました。

次から次へと運ばれてくる料理。

「もう十分です」と思った頃に、さらにもう一皿が現れる。

歓迎の気持ちなのでしょう。

その心遣いはありがたい。

ありがたいのだが、胃袋にはなかなか厳しい。

気づけば舌鼓を打つ段階はとうに過ぎ、腹鼓を打ちながら席についていました。



 
 

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